Instant-Lockスリーブの仕組み:拡張・ロック・止水
鋼製スリーブ、ゴムジャケット、機械式ロックが果たす役割と、施工用パッカーの働き、施工後に管内に残る部材を解説します。
著者:Reliance Trenchless Technology読了目安:7 分

Instant-Lockスリーブが拡張状態を保つのは、開いた鋼製スリーブを機械式ロックが固定するためです。施工用パッカーは拡張力を与え、外側のゴムジャケットは管との間で止水を担う接触面を形成します。 これらはそれぞれ異なる3つの役割です。RelianceのInstant-Lock Smallスリーブは、ステンレス鋼製スリーブとEPDMゴムジャケットを組み合わせた製品で、製品パンフレットの1〜2ページには歯付きストリップとロックギアが記載されています。
理解の要点は、施工機器を撤去した後に何が残るかです。スリーブとジャケットは補修位置に残り、パッカーは施工機器として使用されます。本記事では、小径スリーブシステムについて、層構成から拡張後の状態までを解説します。
3つの層と、それぞれの役割
補修箇所の断面を思い浮かべてください。外側から内側へ、既設管、ゴムジャケット、鋼製スリーブの順に並びます。ジャケットは開放された流路内ではなく、金属と既設管の間に位置します。
NASSCOの機械式シールの解説では、「機械式シール(管内設置型ステンレス鋼製スリーブ)」の項で一般的な原理を説明しています。管内の鋼製スリーブを拡張し、ゴムガスケットを既設管に押し付けて圧縮する仕組みです。Relianceのパンフレットには、Instant-Lockシステムのジャケット材質がEPDMであると記載されています。
鋼製スリーブはパッカーの力で拡張し、機械式ロックがその拡張状態を保持します。ゴムジャケットは圧縮可能な接触層として機能します。既設管は、ジャケットが押し付けられる面を提供します。これらの役割を理解すると、製品名と同じくらい、管の実際の状態や形状が重要である理由が分かります。
スリーブが拡張すると何が変わるのか?
Instant-Lock Smallについて、パンフレットの2ページでは、施工用パッカーに載せたスリーブを位置決めし、管壁に押し付けるように拡張して、ロックギアが固定されていることを確認すると説明しています。以下の図は、機構を理解しやすいように3つの状態を分けて示しています。
位置決め後: スリーブとジャケットの組立体が、施工用パッカーに載せられ、補修位置に配置されています。
拡張後: パッカーがスリーブを外向きに押し広げ、ジャケットを既設管に接触させます。ロック機構が拡張状態を固定します。
施工機器の撤去後: 施工用パッカーを引き抜いた後も、スリーブとジャケットは残ります。
この図は各部材の配置を説明するもので、施工手順全体を示すものではありません。圧力設定、事前準備、ロックの確認、検収要件については、選定したスリーブと施工機器の説明書に従う必要があります。
注目すべき細部は歯付きストリップ
滑らかな円筒だけでは、拡張状態がどのように保持されるかは分かりません。写真の試料の内側を見ると、鋼板の重なり部分に沿って歯付きストリップとロック機構を確認できます。小径スリーブのパンフレットには、歯付きストリップとロックギアが記載されています。

拡張とロックは関連していますが、確認すべき内容は異なります。Instant-Lock Smallのパンフレットには、ロックギアが確実に固定されるように2回目の膨張を行うと記載されています。大きく開いたスリーブの写真だけでは、個々の施工でその確認に合格したとは判断できません。また、写真はロックの保持強度を測定したものでもありません。
樹脂による部分補修とは何が違うのか?
どちらの方法も既設管内で局所的な補修を行えますが、補修部を形成するものが異なります。NASSCOのCIPPによる継手・部分補修の解説では、膨張式パッカーに樹脂含浸材を巻き付け、損傷箇所に配置し、その樹脂に適した方法で硬化させると説明しています。
| 比較項目 | 機械式スリーブ | 樹脂・ガラス繊維による部分補修 |
|---|---|---|
| 何が補修部を形成するか? | 外側にゴムジャケットを備えた鋼製スリーブ | 現場で硬化する樹脂含浸補強材 |
| 何によって最終状態になるか? | 機械的な拡張とロック | 選定した樹脂システムの硬化 |
| 管内に何が残るか? | スリーブとジャケット | 硬化した補修材 |
機械式シールの原理は、樹脂の硬化に依存しません。ただし、それによってすべてのスリーブがあらゆる損傷に適合するわけではなく、流量管理を行わずに工事を進められると判断できるわけでもありません。より詳しい比較は、補修スリーブと樹脂・ガラス繊維による部分補修の比較をご覧ください。
スリーブを選ぶ前に確認すること
正常に機能するロックは、適切な補修に必要な要素の1つにすぎません。NASSCOの調査・評価指針では、管の状態と実際の寸法を、更生に必要な重要情報として挙げています。CCTVでは損傷や障害物を確認し、レーザーまたはソナーによる調査では管径、扁平率、段差を定量化できます。
構成の検討に向けて、実測内径、損傷の位置と範囲、調査画像、管材、搬入・挿入経路、使用条件を揃えてください。保有している施工機器も明確にしてください。Relianceの小径スリーブのスプレッドシートには、スリーブのサイズとともに施工用パッカーが記載されています。任意の膨張式機器が、文書で適合を確認された組み合わせになるわけではありません。パンフレットとスプレッドシートでは適合範囲の一部が異なるため、見積対象の構成について確認済みの寸法を求めてください。
これらの記録を添えて、小径スリーブに関する技術的なお問い合わせをお送りください。大径スリーブ製品群についての提案であれば、その製品群専用の機器資料と施工資料を求めてください。上記の小径システムの説明から、大径システムの施工手順を判断することはできません。
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